なぜ植物によって種まきの方法が異なるのですか

タネによって温度、水分、酸素など発芽のための条件が異なりそれに合わせたまき方をします。

植物の種類によりそれぞれの故郷が異なり、もともとの環境条件に適応するのと同じように、タネの発芽条件も異なります。
タネが発芽する3つの条件として、温度、水分、酸素が知られていますが、光も発芽を左右する重要な条件になっています。
タネにより発芽に光を必要とするものとしないものがあり、それぞれを好光性種子および嫌光性種子と呼びます。
たとえば、ペチュニアやプリムラのタネは発芽に光を必要とする代表的なもので、タネをまいたあと、覆土してはいけません。

それに対し、ワスレナグサやニチニチソウではちゃんと覆土します。
タネの発芽に水分は欠かせないものですが、水分がちゃんと与えられても吸水しないものがあります。
代表的なものにマメ科の植物が知られ、硬実種子と呼ばれています。

種皮が硬く、容易に水を吸ってくれないのです。対策としては種皮にナイフなどで傷をつけたり、お湯にタネをつけ種皮をふやかしたりします。
タネの発芽の3条件のうち、温度はとても重要な条件です。
植物には発芽適温があり、もともとの植物の自生地の環境に適応し、季節の変化の中で発芽すべき時期が決まっています。自然の中でのタネの発芽時期の気温が発芽適温になります。
したがって、一般に高緯度地域を自生地とする植物では発芽適温は低く、低緯度地域を自生地とする植物では発芽適温が高いことになります。
タネの発芽が進行すると、生長中の胚(受精卵が発達した発芽前の植物体)が盛んに呼吸を始めます。
このため、酸素(空気)は発芽に極めて重要です。
水浸しで酸素が供給されない状態ではタネは発芽しません。
一般に、タネは胚と、発芽の際のエネルギーを蓄えている胚乳からなります。
お米の食用にしている部分が胚乳になり、幼植物に相当する部分が胚になります。

市販の培養土は、なにを基準に選ぶとよいのですか

市販の培養土はメーカーによって配合が異なるので、購入前に袋の表示を確認します。

市販の培養土は、数種類の用土があらかじめ混合され、そのまますぐに使える商品です。
元肥が配合されていて、酸度も調整されています。
いろいろな植物に使える汎用タイプから、植物ごとの専用配合土まであります。

まず、培養土の袋に記入されている表示(品質表示)を確認します。
配合されている内容物(配合原料)、肥料配合、適用植物(専用タイプの場合)、製造メーカー名、住所、電話番号の記載の有無を確認します。
これらの表示がちゃんとされていないものは、要注意です。
表示がされているということは、メーカーが品質に対して責任をもっているということになります。
次に、なにを植えるかにより、上記表示の適用植物を確認しますが、必ずしもその植物に適しているとは限らない場合もあります。

とくに、用土の叫用土の粒子の大きさ、元肥の主要肥料成分比率を確認します。

また、長期間、鉢に植物を植えておく場合、たとえば、バラを含めた花木などは、赤玉土や黒土(黒ボク)荒木田土のような基本用土を中心に、そこにいろいろな有機物を混合した培養土が適しています。

もし、バラを赤玉土のような粒状の天然土の入っていない、ピートモスなどを主とする用土に植えた場合は、乾湿の調節が難しく、しかも特定養分の欠乏症状が出てくることが多いようです。
培養土の外観や表示でわからない場合は、培養土の袋を持ってみるとよくわかります。
あまり軽いようですと、赤玉土が少ないか入っていない場合があります。
逆に重すぎる土は微塵が多く、水はけが悪いので注意が必要です。

以上のように、どんな植物を植えるかにより、培養土の袋の表示を確認し、自分の手でもったり、触れて確かめてから選びたいものです。

用土の再生

乾燥させて古い残がいを取り除き、日光などで殺菌消毒し、通気性、排水性、肥料成分を改善します。

ベランダなどで園芸を楽しんでいると、枯れた鉢物や植え替えの際に出る古い鉢土の処分に困ることがよくあります。
一度、植物を栽培した古い土では、そのまま新たな植物をその用土で栽培すると、前作の作物の影響が残り、後作がよくできないことが多いものです。
前作による影響として

①特定の肥料成分が集積していたり欠けていたりと肥料成分の偏りができる
②土の団粒が壊れて通気性、排水性が悪くなり根腐れを起こしやすい
③植物の生育に有効な微生物が減っている
④前作の植物の病害虫が残っている
などがあります。

そこで、元の用土を用いるなら、上記の影響を解消するように、その用土の再生をしなければなりません。

まず、古い土を新聞紙などの上に広げて天日干しをして土を十分に乾燥させます。
天日干しは日光消毒にもなります。
その際に前の植物の残がい、雑草などを取り除いておきます。

天日干しは、夏は約1週間、冬は約2週間行います。
3日に1度は新聞紙を取り替えながら、土の天地返しをします。
乾燥させた土は、ふるいにかけ、微塵を除きます。
そこへもとのブレンドと同じような用土の新しいものを等量、さらに市販のリサイクル材、苦土石灰、元肥を規定量混ぜ込みます。
リサイクル材にもさまざまな種類があり、基本的には、有機物、土を団粒化する成分、微量要素、有用微生物などが入っています。
いずれにせよ、用土再生の基本は、十分に乾燥させ、古い残がいを取り除き、日光などで殺菌消毒し、土の物理性(通気性、排水性)、化学性(肥料成分)を改善することです。

腐葉土の素材に針葉樹の葉が適さないのはなぜですか

腐葉土を選ぶときは、広葉樹を使用したものにします。

腐葉土には通常、クヌギ、シイ、ナラ、カシなどの落葉広葉樹の葉が使用されます。
この落葉広葉樹の中には、針葉樹の葉も入ってきます。
おもな針葉樹の葉には、マツやスギなどがありますが、これらの葉には、精油成分が多く含まれており、また、微生物生育阻害物質もあるので、腐らせようとしても、なかなか発酵
せず、腐りにくいものです。

また針葉樹の葉には多くのテルペン炭化水素が含まれていて、この化学物質が植物の生育に有害な作用を及ぼすといわれています。
これは森林浴でいわれる癒やしの芳香成分「フィトンチッド」で、森の香りの主要な成分の一つです。
このように、針葉樹の葉は腐りにくいこと、さらには葉そのものから発散される香りが植物によい影響を与えないことなどから、腐葉土にはあまり適しません。
腐葉土をつくるときには、針葉樹の葉を取り除きましょう。

なぜ腐葉土などの有機物は完熟したものがよいのですか

完熟していない有機物を与えると、窒素飢餓を起こして生育できなくなります。

腐葉土などの有機物は、土の中で微生物により分解されていきます。
そのとき、微生物は分解するためのエネルギーを必要とし、それを土壌中から吸収します。
十分に完熟した有機物ではそれ以上熟する必要がありませんので、土からエネルギーを奪うことはありません。

ところが十分に完熟していない有機物が土に供給されると、土から分解のためのエネルギーを吸収します。
そのため、肥料分の1つ、窒素源が土から奪われます。
すると、窒素飢餓といって、土の中の窒素分が足らない状況が起こってしまいます。
せっかく有機物を施用しても、逆に窒素飢餓になり、植物が窒素不足を起こしてしまって、よく生育しなくなったのでは、有機物施用の意味がなくなってしまうことになります。
また、完熟していないと、有機物の発酵熱が根に障害を及ぼすこともあります。
つまり、完熟していない有機物を与えると、窒素飢餓を起こして窒素不足となり、植物が十分に生育できなくなってしまうのです。

よい有機物の見分け方
腐葉土や堆肥を購入後,「生ゴミのような匂いで葉の形のまま」という経験はないですか?
土に施す有機物は、完熟していることが必要ですが同時に、ある程度の期間(最低1年以上)は、有機物としての働きを維持していてほしいものです。
完熟していても、すぐに粉々に壊れてしまってまったく形も残らないのでは困ります。

落ち葉を素材とした有機物であれば、葉の繊維質(維管束からなる葉脈など)がある程度しっかりとして粉々に崩れないものを使った腐葉土がよいものになります。
具体的には落葉広葉樹の葉を用いたものや、バーク堆肥でも落葉広葉樹の樹皮からできたものが使いやすい腐葉土になります。
一方、未熟な有機物では、原形を残したままの茶色の葉が多く含まれていたり、腐る際のツーンとした酸っぱい匂いが残っていたりします。
できる限り、嫌な匂いがなく黒に近い褐色になって完熟した有機物を選んでください。
異臭がする場合は要注意です。

鉢土はいくつもの土をブレンドするのはなぜです

育てる植物に合わせて、数種類の用土を配合するとよく育ちます。

鉢土には植物が勢いよく、丈夫に育つように、いろいろな用土を混ぜた配合土を用います。
それぞれの用土は、土の物理性、化学性を改善するために用います。
有機物はおもに土の団粒構造をつくるために配合します。
排水性をよくするためにはパーライト(発泡させた人工用土)や砂を配合します。
また、土のphを低くするためにピートモスを配合することもあります。

一般に土のブレンドは、ベースになる基本用土に土の通気性,排水性、保水性,保肥性を改善する改良用土と肥料を加えてつくります。
基本用土としては、赤土、黒土(黒ボク)、田土(荒木田土)や川砂などがあります。
改良用土には、有機物としての腐葉土、堆肥、ピートモスなど、無機物としてのパーライト、バーミキユライトなどがあります。
基本用土は地域性があり、関東では関東ローム層の下層の粘質の火山灰土が赤土で、微塵が多く通気性に欠けるため、ふるいにかけ、大、中、小と粒子の大きさに分けて、赤玉土として売られています。

関西地方以西には、真砂土と呼ばれる花崗岩が風化した土があり、粒子が細かく粘土質で、通気性が悪くて重い土です。
この土をもとに培養土をつくるときは、水はけ、通気性をよくするため、腐葉土を3-4割程度混合します。
川砂を加えることもあります。
また、酸性の土なので、必ず石灰などで酸度を調整します。

荒木田土は水田の下層土や河川の堆積土で、重く、保水性、保肥性がある土です。
無機物のパーライトは通気性、排水性を高めるためによく用います。
どのような用土を用いるか,それぞれの用土の配合比率をどうするかは、植え込む植物に適する物理性、化学性に合うようにします。
市販の培養土には、どのような植物に適しているかが表示されていますが、上記のようなことを考えブレンドされています。

有機物は毎年、土に加えたほうがいいの?

毎年、晚秋から冬には、庭の土に腐葉土や堆肥を混ぜるとよく花が咲きます。

有機物を施用することによる大きな効果は、土の化学性、物理性を改善することにあります。
有機物そのものに養分を含んでいて、肥料としての効果や매補正効果がある場合(化学性向上)もありますが、土の団粒構造のところで取り上げたように、最大の利点は有機物に土壌粒子を結びつける役目(物理性向上)があることです。

また、有機物はミミズや微生物のえさとなり、有機物を分解し,植物の栄養となる窒素、リン酸、カリなどを植物が吸収しやすい形にしたり、植物にとって有害な物質を分解してくれます。
ここで用いる有機物には、おもに以下のようなものがあります。

①腐葉土:広葉樹の落ち葉を発酵成熟させたもので、通気性、保水性、保肥性に優れ、微生物の活動を高め、土の団粒化を促進します。
品質にばらつきがありますので、完熟したもので、針葉樹の葉など夾雑物の混ざっていないものを選びましょう。

②牛ふん堆肥:牛ふんを発酵熟成させたもので、多少栄養分も含みます。
未熟なものには注意が必要です。
花壇や畑の土壌改良に適します。

③バーク堆肥:バークチップ(針葉樹の樹皮片)を発酵熟成させたものです。
針葉樹には植物の生育を阻害する成分を含むものもありますので、必ず、完熟したものを利用します。

④ピートモス:湿地の水ゴケ類などが長い年月をかけて堆積し、泥炭化したもので、欧米の高緯度の地域のものがおもに利用されています。
品質が均一で、ほぼ無菌ですので、鉢植え用土に混ぜて使われます。

良質な有機物ほど繊維質がしっかりとしており、簡単には壊れません。
それでも時間とともに物理的に壊れたり、化学的に分解したりしていきます。
そのため、毎年有機物を加える必要があるのです。

なぜ毎年、石灰を土に施すのか?

育てたい植物に適したphに用土を整えると、よく育ちます。

土には,酸性であるのかアルカリ性であるのかという特徴があります。
これはpH (水素イオン指数)で表され0-14の値で表示します。中心の7が中性, 7より低い場合が酸性, 7よりも高い場合がアルカリ性になります。
岩石や植物体の性質がどうであったか、土の生成過程でどのような環境条件(降雨、日照条件、温度など)を経てきたかによって土のpHは決まってきます。
日本は降雨量が多く、豊富な植物が生育し腐植質も多いため、ほとんどの地域の土が弱酸性から酸性です。
それに対し、ヨーロッパは日本より降雨量が少なく全体に土は弱アルカリ性です。

つまり、日本の土では弱アルカリ性の土を好むヨーロッパ原産の植物を植える場合、前もって土を弱アルカリ性にしておかないとうまく育ちません。
そのため、ホウレンソウやトルコギキョウのような弱アルカリ性の土を好む植物を栽培するときは、植えつけの2週間以上前(苦土石灰は35日前まで)に石灰を施すのです。

そして、1年以上それらの植物を栽培すると、日本の気候そのものが土を酸性にしますので、翌年それらの植物を栽培する前には、同様に石灰を施さなければなりません。
日本は雨が多いため石灰分が流亡しやすく、土が酸性になりやすいのです。強酸性になるとリン酸などの各養分の効き方のバランスが崩れ、植物の生育が悪くなります。

このように、作物を1作すると土の性質が元に戻ってしまいますので、毎年、石灰を土に施します。
ただし,毎回あまり多量の石灰を施していた場合は、一度、土のphを測る必要があります。
市販のpH試験紙で測ってみましょう。
もし、アルカリ性になっていたら、その場合は石灰を施すのを控えます。

なぜ庭土を改良せずに、苗を植えてはいけないの?

なにもしないで、そのまま植物を庭に植えると、育たないで枯れることもあります。

庭にある植物を一定期間栽培し、その植物(作物)を収穫したり花が咲き枯れたあとは、新しい次の植物を植えるためにあいた場所の土を改良してやりましょう。
そうすることで、新たに植えられた植物は健全に育ち、美しい花を咲かせてくれるものです。
土を改良しないでそのままの土に新たな植物を植えた場合、前に植えられていた植物の影響(悪い影響)が引き継がれることがよくあります。

つまり、前に植えられていた植物がもっていた病害虫がそのまま土に生き残っていたり、前作の植物が土から養分を使ってしまい、土に養分が欠けているために、土の改良が必要なのです。
いわゆるいや地や連作障害といわれる、前作の影響で次の作物がよくできなくなる理由の一つが、病害虫や養分欠乏が原因であることが多いのです。
同じ作物を栽培し続けると、その作物の養分要求性が同じですので、特定の養分だけが極端に欠けることになります。

また、同じ作物を栽培していると、前作に生き残っていた病害虫は当然、同じ作物が栽培されているので、好みの植物ということになります。
そのため、いや地や連作障害では、まったく類縁でない植物(異なる科の植物など)を栽培し、前作の悪い影響を取り除きます。

さらに前作が休耕していたり、新たな造成地である場合には、土が硬く締まり、土の酸度も花や野菜を植えるのに適していない場合があります。
石灰を散布して酸度を調整したり、堆肥や腐葉土などの有機物を入れ土をはじめからつくり込まなければなりません。
砂質土壌では、水はけはよくても肥料分が流れやすく肥料を何回も施さなければなりません。
逆に粘土質の土壌では、保肥性(肥料もち)はよくても水はけがよくないものです。このままでは、植物はよく育ちません。

なぜ土を耕すのですか?

土に空気を入れて微生物を活性化させるために耕します。

植物を長期間にわたり栽培すると、土の団粒構造が壊れてきます。
そこで、前の植物栽培(前作)が終わり、次の作付けが始まる前に、土の再生を行わなければなりません。
土の再生のためには、まず土起こしをします。

土の下の層に空気を送り込むために、下層の土を表層に、表層の土を下層に(天地返し)というようにして、土を耕します。
そうすることで土は生き返ってきます。
空気が送り込まれると窒息状態になっていた微生物も活発に活動し始めます。
そこに新たな堆肥や腐葉土のような有機物が入ると、それらの有機物を微生物が分解し始め、植物の生育に適した土ができ上がっていきます。

このような土の耕起は、作付けの前後だけでなく植物を栽培している途中でも、植栽されている場所の周辺の硬くなった土をときどき耕したいものです。

そうすることにより、新たな根 広がる土をふやすことが可能になります。
つまり、土に新たな空気を入れて活性化させるために、定期的に耕す必要があるのです。