なぜ腐葉土などの有機物は完熟したものがよいのですか

完熟していない有機物を与えると、窒素飢餓を起こして生育できなくなります。

腐葉土などの有機物は、土の中で微生物により分解されていきます。
そのとき、微生物は分解するためのエネルギーを必要とし、それを土壌中から吸収します。
十分に完熟した有機物ではそれ以上熟する必要がありませんので、土からエネルギーを奪うことはありません。

ところが十分に完熟していない有機物が土に供給されると、土から分解のためのエネルギーを吸収します。
そのため、肥料分の1つ、窒素源が土から奪われます。
すると、窒素飢餓といって、土の中の窒素分が足らない状況が起こってしまいます。
せっかく有機物を施用しても、逆に窒素飢餓になり、植物が窒素不足を起こしてしまって、よく生育しなくなったのでは、有機物施用の意味がなくなってしまうことになります。
また、完熟していないと、有機物の発酵熱が根に障害を及ぼすこともあります。
つまり、完熟していない有機物を与えると、窒素飢餓を起こして窒素不足となり、植物が十分に生育できなくなってしまうのです。

よい有機物の見分け方
腐葉土や堆肥を購入後,「生ゴミのような匂いで葉の形のまま」という経験はないですか?
土に施す有機物は、完熟していることが必要ですが同時に、ある程度の期間(最低1年以上)は、有機物としての働きを維持していてほしいものです。
完熟していても、すぐに粉々に壊れてしまってまったく形も残らないのでは困ります。

落ち葉を素材とした有機物であれば、葉の繊維質(維管束からなる葉脈など)がある程度しっかりとして粉々に崩れないものを使った腐葉土がよいものになります。
具体的には落葉広葉樹の葉を用いたものや、バーク堆肥でも落葉広葉樹の樹皮からできたものが使いやすい腐葉土になります。
一方、未熟な有機物では、原形を残したままの茶色の葉が多く含まれていたり、腐る際のツーンとした酸っぱい匂いが残っていたりします。
できる限り、嫌な匂いがなく黒に近い褐色になって完熟した有機物を選んでください。
異臭がする場合は要注意です。