植物がよく育つ土とは、どんな土でしょう?

根が呼吸できる適度な隙間と乾湿があり、必要な養分を保持している『団粒構造」の土にします。

土の役割は、「①植物体を支え、②根が気持ちよく伸長でき、③植物が順調に生育し、④開花、結実できる養水分を植物体に供給すること」にあります。

そのためには、土の中に根が呼吸できる適度な空気(酸素)がある必要があります。
根がいつも水につかっている状態ではなく、乾湿があり、必要な養分を保持している土が理想です。

とても大切なことなのですが、多くの方は、植物の根が呼吸をしているという事実を、ご存じないのではないでしょうか。

根は、表面の細胞(表皮細胞)から土壌の隙間にある酸素を直接取り込んでいるのです。
ところが、根が冠水した場合、土壌の隙間が水で満たされ、根の表面全体が水と直接接することになります。

この状態では、水に溶解している酸素を吸収することはできますが、根の表面に接する水の酸素濃度はすぐに低下します。

長期間水浸しになると、根は窒息状態になります。
これが長く続くと「根腐れ」になり、根が傷んで黒ずみ、枯死します。

根の窒息を防ぐためには、空気を保持し、空気が通り抜ける空間が必要なのです。
空間があると水が通り抜けることができ、水浸しになることもありません。
また、常に液肥や追肥で供給されなくても、土の中にはちゃんと植物に必要な多量要素と微量要素が保持されていて、養分が流れ去らない構造になっていることが大事です。

ところが、土の粒子が細かすぎると土の間の空間が少なくなってしまいます。
そのため、土の粒子はある程度大きくなくてはなりません。後の項目で取り上げるような団子のような構造 粒になっていることが理想です。
団粒だと、土の粒子と粒子の間にちょうどよい隙間ができ、根はその隙間で呼吸をしながら気持ちよく伸長することができます。

水も滞留することなく、自然に下に抜けていきます。したがって、根が窒息することもありません。

また、団粒の一つ一つの粒子の中や表面には、肥料成分を保ち、引きつける力があります。
表面には常にさまざまな養分がついていて、植物は必要なときにそれらを吸収することができます。
表面の養分が足りなくなると、団粒の中から供給されます。
団粒には多くの肥料成分を蓄える力もあるからです。土が養分を保持できる能力のことを「塩基置換容量」といい、保肥力が高い土は、この容量が多くなります。

また、「塩基置換容量」は、土の種類によって異なり、団粒構造の土は、この容量が多いのです。同時に団粒には水分を保持する力(保水性)もあり、急激に乾くこともなく、ほどよく植物に水分を供給することもできます。

つまり、土の中に根が呼吸できる適度な隙間と乾湿があり、必要な養分を保持している土が、植物がよく育つ理想の土です。
このような土だと、植物は本当にすくすくと育つことができるのです。